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西の湖ヨシ灯り展2020
審査員 内田康博
今年もヨシ灯り展の審査をさせていただきました。以下、審査の様子などを報告させていただきま
す。
9 月 25 日(金)、オープニングの前日の夕方から夜にかけて、展示が完了したすべての作品を拝見
いたしました。コロナ禍の困難な状況のなか出品いただいた作品数は 308 点。その中から 44 点程を選
定いたしました。当日は昼から雨の予報で展示作業ができるのかどうか心配されましたが、実行委員
の皆様の強い意思の元、展示作業が進められました。審査は午後 4 時ころから始め、小雨の降るなか
夜 9 時過ぎまでかかけて繰り返し確認しました。明るいうちに展示作品すべてを確認し、陽が落ちて灯
りを点灯してから再度確認します。その後、室内で作品選定作業を進め、ほぼ確定した段階で再度作
品を確認し、最終確定をしました。途中、雨が降り、記録用の撮影もままならないなか、実行委員の皆
様に夜遅くまでお付き合いいただき、なんとか選定作業を終えることができました。以下、作品につい
て、コメントさせていただきます。
知事賞:長浜小の加藤さんの作品は、力強さが印象的でした。線材としての繊細さがヨシの特徴の
一つですが、束にした時の力強さを表現する数少ない作品でした。一般の杉本さんは、線を組み合わ
せた螺旋状の面をさらに組み合わせた造形で、完成度の高さが選定理由です。成安造形大学の作品
は例年通りの大作で、最小限の線材で構成された球面が同じく最小限の線材による連続する三角形
の上にふわりと浮かび、ヨシの繊細さと線材としての力強さの表現が印象的でした。
市長賞:大津商業高校美術部の作品は、アマビエの具象的なモチーフの楽しさだけでなく、群造形と
して魅力的な作品に仕上がっていました。一般の角替さんの作品は大小の星形を組み合わせた釣り
下げ型の作品で、今後もこの形の出品が楽しみとなる作品です。同じく一般の川村さんの作品は、ヨシ
を縦に割いてしならせて使うことで、ヨシの線としての繊細さが最大限に表現され、太目のヨシとも組み
合わせる構成の魅力が選定理由です。
以下、夏原グラント賞、まち協賞、西の湖賞については個別のコメントを省略させていただきますが、
ご覧いただければ納得いただけることと思います。いずれも力作で、是非、入賞いただきたいと思いま
した。選定作業では、もっとたくさんの作品が候補となり、入賞作品数の制約のために残念ながら入賞
いただけなかった作品も多数あります。本来であれば、出品作品すべてに入賞いただきたい気持ちで
すが、どうかご容赦ください。
今年も、多くの作品を拝見し、とても楽しい時間となりました。出品された皆様に感謝を申し上げます
また、小雨の降る中、揺るがぬ決意で展覧会の準備を進めた実行委員の皆様には、改めて敬意を表
し、感謝を申し上げたいと思います。来年はどんな作品に出会えるか、今から楽しみにしています。あ
りがとうございました。
西の湖
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