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今年はコロナ禍から、早春から殆どのイベント・作品展が中止となりました。大学では 10 年以上出
展している外部展示の春の灯りの作品展も、直前に中止の案内、出展をあきらめることとなりまし
た。行く末の見えない世界的な窮状。新しい生活様式にも身体が慣れつつある 5 月、実行委員会
からご連絡をいただきました。今年の「ヨシ灯り展」開催のご相談でした。密の拡大を避けるため
の規模の縮小、ワークショップ開催の有無、難しい課題のハードルは多々ある事を踏まえて、少し
でも開催実施の可能性を実行委員会でご検討頂きたいこと、14 年目を迎える「ヨシ灯り展」は今や
地域に根付きかけがえのないものになっている大切な存在、この存在が今のこの状況に「灯り」を
ともす元気の源になってくれる願いをこめて「小さなヨシ灯り展」としてでも開催をお願いしたい想
いをお伝え致しました。そして後日、委員会より「実施」のご連絡を頂きました。
しばらくして届けて頂いたリーフレットには、「終息への祈りをこめて今できる小さなこと」
と、地域で育ててこられた作品展らしい素敵なタイトルが添えられていました。
今年のワークショップは、回数を減らし、実施には最小接触を厳守し実施することとなりました。昨
年のワークショップは 10 箇所学生と共に活動させていただきましたが、今年は 3 箇所、私だけの
活動となりました。8 月 8 日桐原コミュニティセンター、8 月 28 日木の本小学校は、木野さんと共に
お伺いさせて頂き、8 月 20 日は安土コミュニティセンターでは、いつもサポートしてくださる地域の
皆さんにお手伝いいただきました。3 箇所のみのワークショップでしたが、密を避け、換気、ソーシ
ャルディスタンスをとりの開催、子ども達だけでなく、会場のご準備頂く方々の更なるサポートなし
では出来ない活動となりました。ワークショップは、1 番に地元の素材ヨシを知り触れてもらうこと、
そして楽しく作り完成させること、最後に完成した作品に灯りを入れ光と陰を楽しむ、今年も名作
が生まれる瞬間に立ち会えました。
13 年間、あたり前のようにさせていただいていたワークショップですが、今年のこの現状に、今一
度子どもたちと一緒に作ることの喜びを感じずにはおらせませんでした。会場に並ぶ作品は例年
よりは少なくなりましたが、どの作品も力作揃い、子どもたち、出展頂いた全ての皆さんの思いは
コロナに負けることなく、個性的で美しい灯りの小路を彩ってくれました。14 年目の「ヨシ灯り展」が
空白にならず開催できましたことに感謝致します。
今年は搬入時も雨にみまわれ、オープニングはスコールのような土砂降りの雨、波乱のご時世を
映し出すかのような天候での始まりでしたが、灯り展終了に打ち上げられましたサプライズ花火は
本当に綺麗でした。2020 年世界的にも歴史に残るこの年に開催されました第 14 回ヨシ灯り展、無
事にこの時を迎えられた実行委員会、ご助力頂きました地域の皆さんがどのような思いでこの花
火を見られたかのかと思いますと、実施の重責の決断が、この花火によって賞賛されたように映り
ました。
成安造形大学 立神まさ子
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