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ヨシ灯り
ヨシ灯り制作について制作について
西の湖ヨ
西の湖ヨシ灯り展とクラフト系市民シ灯り展とクラフト系市民
ポリテクカレッジ滋賀 髙橋尚吾
昨年度に引き続き第 18 回のヨシ灯り展に参加させていただきました。参加や準備に当た
り様々な方のご協力をいただき、大変ありがとうございます。私事になりますが本年度、静
岡から滋賀に転勤してきて、初めて見た琵琶湖の巨大さに圧倒されたのがもう懐かしく感じ
ます。本報は、ポリテクカレッジ滋賀と今回のヨシ灯り制作内容についてまとめたものにな
ります。ポリテクカレッジ滋賀は、製造業や建設業などものづくりの現場で働くことを目標
として、学生が勉強や実習活動に励みます。授業では特殊な機器や工具を取り扱い、専門的
な技術を身に着けます。今回ヨシ灯りを制作した学生は住居環境科 2 年生で、普段は建築
や大工技術を学んでいます。
まず、ヨシ灯りの形を決めるために昨年度の制作物を振り返りました。昨年度は、見てい
る方がヨシ灯りの内部を回遊することで、ヨシ灯りの一部になれる作品を制作しました。し
かし、ヨシが風の影響で倒壊したため、展示途中で回遊を取り止めるなどアクシデントが生
じました。そのため、今年度は見る人がヨシ灯りの一部になれる要素に加え、安定性を考慮
した設計を意識しました。BIM と呼ばれるソフトウェアで 3D モデルを作り、実際に施工
可能か検討し制作に入りました。
制作では、まず木材で三角形のフレームを組み、フレームにヨシを張り付けてヨシパネル
を作成しました。その後、展示会場で2枚1組のヨシパネルを結合して、大小様々な三角錐
を計9個配置しました。単純な三角錐ですが、住宅の屋根を作る技術を応用して作成したた
め、斜面がきれいに揃い安定した構造を持っています。また、ヨシパネルの開き具合を揃え
るため、1/1 スケールの図面から材料の断面を読み取り、サイズの異なる三角錐がすべて
同じ角度になるよう調整しました。最後にヨシの柵で空間を仕切りヨシ灯りが完成しました。
一番大きな2つのヨシパネルが展示期間中に横転してしまいましたが、再固定し終了まで保
つことができました。再固定の際にはご協力いただきありがとうございました。
今回、学生がヨシ灯り展に出るということで、改めてヨシについて調べてみました。建築
では主に屋根の材料として、他には民家の内装や家具にヨシが使われてきました。現状、代
替製品の登場によりその利用は落ち着いていますが、将来的に自然材料の積極的な活用が求
められると予想されます。ヨシの積極的な活用に向けて、ヨシ灯りのような照明的な利用以
外にも、昔のようにヨシを建築材料として活用出来たらと思っています。
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